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研究内容(2016年度)

抗感染症薬開発研究部門は, 本年度で開設10周年を迎えました。設立当初より抗インフルエンザ薬の開発・実用化の推進に力点を置き, 新規薬剤としてラニナミビルおよびファビピラビルの承認に関わってきた。また本年度は, 伊勢志摩で開催されたG7サミットにて安倍晋三内閣総理大臣より示された「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」に含まれている創薬促進に関係した活動を行った。これに関係した活動として, 新規マクロライド系薬の開発に携わった。このほか研究面では, 緑膿菌の多剤耐性獲得に関する基礎研究, 肺炎球菌やインフルエンザ菌, モラキセラカタラーリスに対する各種キノロン系薬の耐性獲得条件をPK-PD理論から解析した。さらに医療用デバイスに付着するbiofilm形成菌の除菌に関する研究を本学流体科学研究所と共同で実施している。

世界的に新たな薬剤耐性菌が出現している現代において, 先進国が中心となり新たな抗菌薬創薬を停止させない活動が期待されており, 本年度はこれに関する活動が中心となった。

① 薬剤耐性菌抑制の研究の推進並びにその成果の普及推進

前述のAMR対策アクションプランをうけ, 各医療機関や一般市民向けの教育・普及活動を 実施した。また同アクションプラン実施に向け政府が公表した成果目標の一つでもある緑膿菌の多剤耐性に関し, ペニシリン系薬の負荷でキノロン系薬への交叉耐性を獲得する機序を明らかにしClin Microbiolに報告した。このほか大腸菌におけるキノロン耐性が問題になっているが, 我々は呼吸器感染症の起因菌として知られる肺炎球菌等のキノロン耐性傾向に関する研究を行い, 日本化学療法学会で報告した。さらに消毒薬抵抗性の獲得機序の解明やクロストリディウム・ディフィシルに対するprobiotics製剤の有効性評価に関する実験も行い, 同学会にて報告した。

② 医学・薬学における育薬に関する研究の推進と人材の開発

渡辺教授は, 新規マクロライド系抗菌薬の開発に関わっており数少なくなった抗菌薬創薬に関わる活動を行った。また, 渡辺教授と藤村は, 育薬に関する研究の推進と抗感染症薬の適正使用法の確立について, 昨年に引き続き, 全国各地の医師会・薬剤師会や各医療機関において教育・講演活動を行った(後述の研究業績等参照)。

③ 医療材料の新しい殺菌法の開発

客員教授の藤村が, 本学流体科学研究所と共同で開発したプラズマ発生装置による放電にてアカントアメーバに対する殺菌能を検討し, 日本化学療法学会にて報告した。

このほか渡辺教授は, 病院内感染の予防と薬剤耐性菌抑制の研究の推進として, 東北大学病院の感染対策実務委員会(各診療科, 薬剤部, 看護部, 検査室, 栄養管理室等から代表1名参加)の委員長として活動している。本会では, 感染管理室と共同で各委員へ院内感染予防や薬剤耐性菌制御に関する話題提供を取り入れ, 病院職員へ院内感染に関する意識の啓発を行った。

以上が, 今年度の当部門の研究活動報告である。

(文責:藤村 茂)

当研究部門の位置づけ

当研究部門の位置づけ

寄付研究部門協賛企業(順不同)

  • 杏林製薬株式会社
  • 塩野義製薬株式会社
  • 第一三共株式会社
  • 大正富山医薬品株式会社
  • 大鵬薬品工業株式会社
  • 富山化学工業株式会社
  • 富士フィルムファーマ株式会社
  • Meiji Seikaファルマ株式会社
  • 研究室および関連研究グループ

    研究室

    教授渡辺 彰
    客員教授藤村 茂(東北医科薬科大学大学院薬学研究科臨床感染症学教室 教授)
    秘書・実験助手伊藤 友子
    実験助手中野 友美
    非常勤講師布施 克浩(東北医科薬科大学病院 薬剤部)

    研究グループ

    教授菊地 利明(新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器・感染症内科学分野 教授)
    助教五味 和紀(東北大学大学院医学系研究科呼吸器病態学分野)
         (米国コーネル大学留学中)
    講師中野 禎久(茨城キリスト教大学看護学部看護学科老年看護学 講師)

    関連グループ

    本田 芳宏  (仙台厚生病院 副院長)
    徳江 豊  (群馬大学医学部 准教授, 感染制御部部長)
    高橋 洋  (坂総合病院 副院長・内科診療部長)
    三木 誠  (仙台赤十字病院 呼吸器内科部長)

    部門の10年目のあゆみ

    4月
    25日ホームページを更新しました
    31日電気設備点検のための停電立ち会い
    6月
    9-11日第64回日本化学療法学会(神戸国際会議場)
    藤村先生が「アカントアメーバによるコンタクトレンズ汚染モデルに対するプラズマ殺菌の基礎的検討」を発表しました。
    今回は, 実験を担当していた中野もお供させていただきました。
    発表中の先生の勇姿を収めようとカメラを構えたところで「講演中はカメラや動画での撮影をご遠慮ください」のアナウンスが入ったため断念しましたが, その分集中して聴いてまいりました。資料の作り方や説明の仕方, 質問への答え方など大変勉強になりました。また, 自分が取り組んできた実験のデータが実際に学会で発表されたり質問されたりするのを目の当たりにする機会は初めてだったので, とても貴重な経験でした。
    白熱したパネルディスカッションや, 第一線でご活躍の先生方の講演を聴くことができたことでも良い刺激を受け, また実験に励む活力が湧いてきました。
    7月
    8日加齢研園遊会
    スマートエイジング棟1階ロビーにて開催された「加齢研園遊会」(ビアパーティー)に, 伊藤と中野が参加しました。
    曇り→小雨というあいにくのお天気でしたが, 所内各部署・分野の様々な方と交流できる数少ない機会ということもあり, 今年も盛会でした。
    8月
    5日感染症グループ納涼会
    「伊達の旬菜みわ亭」にて, 関連病院の先生方を含め総勢13名で納涼会を行いました。
    最高気温34℃の真夏日に加えて今年は仙台七夕初日の花火大会と重なったこともあり, 街中は熱気に包まれていました。
    冷えたビールで乾杯の後は, 凝った器で運ばれてくる新鮮な山海の幸を満喫し, 暑さを忘れる至福のひとときになりました。
    12月
    15日加齢医学研究所が75周年を迎えました。
    昭和16年12月15日に東北大学加齢医学研究所の前身である抗酸菌病研究所が設置されてから今年で75周年という節目の年を記念して, 研究所のロゴマークが制定されました。
    22日感染症グループ忘年会
    「鮨たむら仙台国分町店」にて, 感染症グループの忘年会が行われました。
    毎年当研究室の忘年会は12/22に行うのが慣例ですが, 今年は3連休前に当たり, 先生方にはお仕事がお忙しい&激しい渋滞の中お集まりいただきました。
    今回の会場も藤村先生のナイスチョイスにより, 落ち着いた雰囲気の素敵なお店でした。魚屋直営のお鮨屋さんが手がける旬の魚介にお箸とお酒がすすみます。
    特に, 赤酢を使用した「赤舎利の握り」は絶品でした。
    27日年末昼食会
    昨年に引き続き, 今年も開盛庵のうな重をいただきました。
    人数分の「並盛」を頼んだはずでしたが, なぜか一つだけ「大盛」の付箋が…。
    皆で一瞬考えた後, 今年最後のプチラッキーということで藤村先生に食べていただきました(笑)
    大変興味深い渡辺先生の学生時代や勤務医時代のエピソードを伺うことができ, 楽しい昼食会で和やかに一年を締めくくりました。
    1月
    4日仕事始め、加齢研所長挨拶

    来年度も, 研究室員一同協力して励んで行きたいと思っております。
    今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

    (文責:中野友美)