16. ネクタイ ある先生が,京大のどこかの教授に栄転になって,記念にネクタイを携えて大学内で挨拶回りをした。先生の留守中にも挨拶がてら持って来られたらしい。 第一秘書はとりあえず受け取って,挨拶にみえたことを先生に報告すると,『返してこい。そんなしょうもないモン貰ってクビにでもなったらほんまにアホらしいですわ。』 あまり面識のないひとからの贈り物だからか,と言うとそうでもない。先生の研究室からどこかの会社に就職したひとが,何か手みやげを持って教授室に挨拶に来たらしい。これも留守中。するとやはり秘書に,『返してこい。そんなもん受け取る理由はありませんね。』と,にべもない。 懇意にしている工学部の先生が,学士院賞受賞のお祝いで先生にシンビジュームか何かの花束を持って来られたらしい。…それはたいそう喜んで受け取られたそうだ。 |
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