三陸海岸ツーリング(東北海岸線ツーリングシリーズ3)

 すずらん峠100連発

Last updated: 11/3/2008

夏の東北海岸線ツーリングシリーズ、一昨年は秋田〜津軽〜青森、昨年は下北半島を一周でした。2008年,今年の夏は仕事が何となく忙しいので無理かな〜と思っていましたが、無理矢理8月7日から休暇にして、天気予報も晴れ、晴れ、晴れ/曇りとなっていたのでこのときしか無いと思って行って来ました。今年でぐるっと時計回りの海岸線コースが完結するのですが、今年が最もつらいコースになりそう。何しろ仙台に来た2年目あたりに家族で訪れた牡鹿半島、金華山でしたが、金華山で危うく遭難するかと思ったほど行けども行けども海岸線をギザギザ歩くばかりで一向に帰りの港にたどり着けないという苦しい記憶があります。

三陸海岸は私にとって秘境です。地図の上では日本列島が胸を張ったとこらへんですが何しろギザギザしていて、学校で習ったリアス式海岸、おそらく平たい場所はほとんどなくて小さな漁港が点在するようなところでしょう。岩手の内陸部と違って道はうねうね曲がりくねっているに違いありません。

昭和44年にヒットした森進一のブルース、例の『背伸びして見る〜〜』で始まる歌ですが、11歳の頃の歌なのにいまだに忘れていない歌詞は、「みいなとお〜みやこかまいし〜〜〜けせんぬうまあ〜」です。他にもいっぱい港町が出てくるのでしょうが、何故か忘れられない歌詞です。ただその頃は「みやこ」は「都」と思っていましたが実は「宮古」だったのですね、つい先頃、40年の歳月を経て分かりました。

とりあえず「みやこかまいし〜けせんぬまア〜」は疲れて来たら自転車こぎながら何度も歌っていました。

あと、予測されたことですが、港町をつなぐ道路はアップダウンの連続で、これまでの東北ツーリングで最も単調でしかも体力をすり減らずコースになるに違いありません。

思ったとおりでした。すずらん峠100連発と言いましょうか、蔵王のようなひたすら激坂、というわけではありませんが、ジャブの連続です。いつまで登らされるのか分からない道を延々と漕ぎ上がるケースばかりです。

8月7日 木曜 快晴 気温最高29℃

朝4時過ぎに起きて朝食ののち北山駅まで漕いでからバイクをたたんで輪行です。5:46の始発に乗って仙台駅が5:55着。はやての始発6:37の自由席に乗って行きます。仙台ではがらがらですが、八戸まで各駅停車、いつのまにかある程度お客さんが増えています。八戸8:37着。キャンプ道具を持ったどこかの大学のサイクリング部とおぼしき集団も八戸駅を出たところで輪行袋を解いています。そそくさとバイクを整え、水ボトルも満たして出発、9時前です。朝からかんかん照りで気温は既に体感で30℃近くあります。八戸の旧市街を抜けるのに、道に迷ったりしながら時間がかかり、ルート45に乗っていよいよクルージング開始。久慈には昼前には着きたいとおもっていましたが予定どおり11:45に通過、ここのミニストップでおにぎり、甘夏ゼリー、リンゴジュース、カフェラテで休憩、ホテルの予約を入れます。休暇村○○○○、幸いすんなり和室2食付きで受け付けてくれました。久慈を過ぎると細かく細かくアップダウンの繰り返し、途中、田野畑までの峠がルート45の最高標高らしくて380mとのこと、ここまで延々登らされ、気力も衰えて来ます。田野畑の道の駅では水補給をしますが、ベンチにガがいっぱいとまっていたりして気持ち悪い。ここの思惟大橋、かなり深い谷にかかっています。これを過ぎて田老の道の駅ではソフトクリームを戴きます。かなり疲れた体にはぐぐっと来ます。トンネルを4つほどくぐるといよいよ今夜のお宿、休暇村への測道に入ります。少しうねうねと2kmほど走ったあと、立派なお宿です。ただ、ガが大量発生していて、落ち葉が敷き詰められているのかと一瞬思うのですが、ガの死んだやつです。お宿はお風呂は広く快適、夕食のバイキングは海の幸をふんだんに出して下さっています。もう食べられないというぐらい堪能しました。生ビールもぐっと美味しく戴きました。お部屋は広い和室。コインランドリーでウェアー一式を洗濯しました。

8月8日 金曜 快晴 気温最高28℃

朝7:00に朝食バイキングを戴いてから7:45チェックアウト、お安いです。蛾の飛び交う中をアップがわりに国道45までの道をゆっくり登り、すぐのコンビにでアクエリを調達、蛾の生きたのやら死んだのがいっぱい舞っていてその粉を避けながらボトルに入れます。あとで調べてみると今夏は蛾が大量発生していたのですね.坂をぐっと下るとそこはもう宮古の町。おおきな町で、中心部を進みます。町を離れるとこれから長い釜石までの道のり、50キロほどの予測ですが、最初は川沿いの平坦路をクルージング。じきに川を遡る道に変わりゆっくり登りになります。峠越えをなんどか繰り返し、やっとこ釜石の町ですが、バイパスでおおきく海沿いの高い橋を通ります。眼下には鉄の町、釜石らしく工業所と港湾が発達しています。町に下りることなく通過してまたまた峠を何度かアップダウンします。

大船渡までは海を左に見ながら山道を登ったり降りたりの連続です。途中、釜石工業高校を過ぎてトンネルを抜け、下ったところにあるファミマで昼食休憩とおやどの予約。おにぎりとアップルジュース、カフェラテ、甘夏ゼリー。車のおば様に「どこまで行かれるの?」と聞かれ、八戸から出発して昨日は宮古泊まりで今日は気仙沼まで行きますと答えると、わあたいへんね、気をつけて、とのこと。暑いので大変です、ありがとうと応えておく。お宿はすぐに予約可で安心。三陸町の北里大三陸キャンパスのある町を過ぎてしばらく行くとようやく大船渡。今日も暑いのでじりじり日焼けが進む。道の駅でソフトクリームを戴く。三陸道には入れないので仕方なく旧国道の峠道を登ることに。これがどこまで続くのかと思うほどいつまでも同じ角度で登らされ、体力を消耗。やっと三陸峠のトンネルを抜けて一気に下り。15:06陸前高田

気仙沼は思っていたよりにぎやかそうな大きな町で、港町の雰囲気ではないです。街中を信号待ちを繰り返しながら進み、ややアップダウンをこなしながら今夜のお宿のはまなす○○館に到着、17:00過ぎ。9時間ちょいの146kmの道のりでした。おやどは海水浴客の家族連れが多い小さなホテル風。とても親切な受付の人の対応で、自転車の保管方法をホテル館内に確保してくれた。ありがとう。和室4.5畳ぐらいですが快適です。海の見えるお風呂でゆったり。エアコンの受光部がしばらくわからず、エアコンが効かないなあ、暑いなあと思っていたが、寝る前になってようやく気がついてエアコンをかけた。夕食はお部屋で戴くが、これがまた海鮮タップりの豪華版、ビールを付けてもらって旨い!23時過ぎに北京オリンピック開会式に見飽きて寝る。

8月9日土曜 晴れときどき曇り 24度ぐらい

7時前に起床してパパパと出発準備を整えてから朝食7:30.秋刀魚の焼いたの、納豆、かまぼこ、豆腐、しおから、味噌汁、レタスサラダ、ヨーグルト、コーヒー、十分戴きました。ごちそうさまです。チェックアウト8:00過ぎ。お安い勘定にまた感激。受付のひとに今日は少し涼しそうでよかったですね、と労われる。ついでに内陸部への本吉からの346号と志津川からの396号とどちらが険しいのかと聞いたら396は結構アップダウンがあるので346のほうがまだ楽かもしれない、とのこと。昨日までの疲れもあってかなり迷う。出発してほどなく本吉の346号分岐点。いったんは分岐に入りかけたが、まだ疲れていないしここで近道して仙台に帰ったらあとあと後悔するかもしれないので思い切って、地図に勾配のある坂道、と紹介されている45号をそのまま歌津方面へ。これが思ったほどの急峻ではなく、難なく歌津まで。ついで志津川までも、静浜を過ぎて多少のアップダウンはあれどすんなり着いてしまった。ついでにもう志津川の町から始まる396号にも乗らずに思い切ってそのまま進み、次の小さな町から45号と分岐する396号に乗るとこれが広々した整備の行き届いたいい道で、快適かつ交通量も少なく、多少アップダウンを繰り返しながらも北上川の河口の町、北上へ到着。橋まで川を遡ってから橋を渡り、すぐに恐れていた200mの峠だったがこれも難なくクリアしてトンネルへ。ぐっと下るとすぐに雄勝の町。ここのファミマで11:15、ちょっと早いが昼食休憩、ゼリー、おにぎり、カフェラテ、りんごジュース。暑い。硯の町、雄勝を初めて見た。小さな,雰囲気のいい町です。このあと雄勝の湾の養殖いかだを眺めながら海沿いをアップダウン。海沿いなのに林間道路で日差しが遮られ、涼しい。ここの道のアップダウンの繰り返しも多いが、これまでの行程よりも楽に感じる。女川の町に到着、これから交通量が増えるだろう石巻を目指す。コバルトラインの分岐を横目に396号を進む。一度来たことがあったが案外でかい町、石巻では案の定、トラックをはじめ交通量が一気に増えて走りにくい。おまけにミスコース。45号に再度合流して運河沿いを南下、はたまた田んぼの中のまっすぐな道をクルーズ。途中の松島航空隊の近くのコンビニでソフトクリームを戴く。川沿いを北上してまた平坦路を進み、ようやく県道8号線。これがよくなかった。道幅が狭い上に路肩に余裕がなく、交通量も多いため、追い抜かされにくい。こけたら轢かれる、という道で緊張の連続。続いて利府。ここも交通量多く路肩も狭い上に渋滞気味でトラック1台に無理な追い越しをかけられ、危うく轢かれかけ、ヒヤッとした。もうこの道は通らない。仙台市街を通っていつもの通勤ルートに乗って帰宅17:00ごろ。156km、9時間。

反省点:交通量の少ないルートを選ぶことは安全確保の鉄則。トラックさんたちにはできるだけ追い越され上手でやり過ごす。バイクを邪魔にして無茶をするドライバーが1万台に2台ほど居る。この確率をできるだけ少なくすること。

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