「加齢・老年病科」を開設することとなりました。  近年の少子・高齢化という人口構成の劇的な変化の中で、高齢者が抱える医療・健康問題が顕在化している。高齢者の特徴として、1)多様性(Diversity)と多病性(Multi-morbidity):2)認知症のような加齢(長寿)を背景因子とした疾患の増加:3)使用薬剤数の増加(Polypharmacy)と薬物有害事象(Adverse drug effect)の日常化:4)疾患の慢性化と生活機能低下によるフレイル及び在宅医療・介護需要の増大などが挙げられる。加齢・老年病科はこのような高齢者の特性に配慮しながら、病気とともに歩む人生を支える医療を提供する診療科であり、臓器別診療科とは一線を画する。東北大学病院のような特定機能病院における急性期医療から在宅医療などの慢性期医療への繋ぎ目の役割を果たす情報として、高齢者の日常生活機能を多面的に評価する「高齢者総合機能評価」が役立つ。寿命の延伸により、壮年期の疾患の多くが高齢期へと持ち越され、Multi-morbidityの背景となっているが、各々の疾患は従来の臓器別診療科での対応が基本となる一方で、多病状態やそれに伴うPolypharmacyに対しては、過少医療や過大医療にならないよう特段の注意を払いながら、優先順位を考慮した包括的管理が必要となる。また疾患の診断にまでは至らないものの、「老年症候群」と呼ばれるQOL低下につながり得る高齢期特有の病態がある。老年症候群の中で特に中枢神経系に由来する認知症は、加齢性変化と病的変化が連続するスペクトラム上に位置し、認知機能検査だけでは十分に把握しきれないことが多く、形態画像検査(CTやMRI)に加え機能画像検査(SPECT, PET)や脳脊髄液検査で得られる情報の価値は高い。近年進歩が著しい機能画像検査は、認知症の補助診断として病型診断(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など)に有用である。最近では、MRI やSPECT の画像情報から患者の脳画像を標準化し、健常者集団と比較して脳萎縮や血流低下の度合いを表示する画像統計解析技術が導入され、これまで目視では難しかった前駆期アルツハイマー型認知症の診断支援ツールとして期待されている。

最新のお知らせ

2019/01/04 加齢・老年病科院内講師の富田尚希先生の論文が日本老年医学会英文誌Geriatrics & Gerontology Internationalに掲載となりました。
2018/12/03 『第8回東北 Aging Scienceフォーラムが平成30年12月1日仙台市にて開催されました』
2018/11/05 元気!健康!フェアinとうほく 宮城の医療と健康 vol.6に荒井啓行先生の講演が掲載されました。
2018/09/06 アルツハイマー型認知症へ超音波治療について艮陵新聞にインタビュー記事が掲載されました。
2018/08/07 東北大学病院循環器内科と共同で、アルツハイマー病に対する超音波治療治験を開始しました
2018/07/20 日本老年医学会が平成30年西日本豪雨で被害の大きかった地域の緊急支援を行ないました。
2018/04/05 加齢・老年病科/加齢画像外来が、平成29年度東北大学病院長賞を受賞しました。
2018/03/05 認知症予防学会誌(Vol.7.2017年)に「進化するアルツハイマー病の概念と本学会の使命」と題して荒井啓行教授による巻頭言が掲載されました。
2018/02/22 原田龍一先生(機能薬理学分野所属、老年医学分野兼務)による勾坂記念賞受賞記念講演内容が東北医学雑誌に掲載されました。原田龍一先生は、平成29年度加齢医学研究所研究奨励賞も受賞しました
2018/02/08 第36回日本認知症学会学術集会において、荒井啓行教授が教育講演を行ない、メディカルトリビューン誌に掲載されました。