【一般核医学検査】
一般核医学検査はガンマ線を放出する核種で標識した薬剤を投与し、放出されるガンマ線を検出器で体外から検出することにより、臓器・組織の機能を画像化する検査である。当院では99mテクネシウム(99mTc)標識MDPを用いた骨シンチグラフィと67クエン酸ガリウム(67Ga-citrate)による腫瘍・炎症シンチグラフィが検査件数の大部分を占めている。骨シンチグラフィは主に悪性腫瘍の骨転移や原発性骨腫瘍の診断に用いられる。クエン酸ガリウムシンチグラフィは悪性腫瘍の進展、遠隔転移、炎症の活動性の評価に用いられる。また、脳血流検査は、虚血性脳血管疾患やアルツハイマー病などの脳変成疾患の診断に用いられる。さらに肺、心臓、、腎臓、内分泌臓など臓器の機能を画像化し、評価することも可能であり、多岐にわたる臨床ニーズに対応している。以上の核医学検査を研究所職員2名(教授を除く)および大学病院所属職員3名が担当している。
【PET検査】
PET検査は、18Fなどのポジトロン(陽電子)を放出する核種を用いる核医学検査である。平成14年に18F―フルオロデオキシグルコースを用いるがん診断を中心としたPET検査が保険診療に採用されているが、この手法は当研究分野のグループが1981年頃から基礎研究・臨床研究を開始し業績を積み重ねて世界に先駆けて開発したものである。東北大学病院では平成15年10月にPET施設が新たに稼働を開始した。また、平成17年1月からはPET画像と同時にX線CTが撮像できるPET/CT装置に更新され、がん診断、てんかん、虚血性心疾患の評価に活用されている。図1にPET/CTの画像を提示した。また、図2に一般核医学およびPET検査の5年にわたる検査件数推移を提示した。平成18年度は、年間2,800件を超える勢いで件数が増加しており、PET装置1台の実績としては国内トップである。
【脳加齢外来】
無症候性の小さな脳梗塞や虚血性病変は老化とともに増加、増悪し脳卒中や認知症、うつ病などに移行する可能性が指摘されている。このような無症候性病変は脳ドックの磁気共鳴画像(MRI)で指摘されても積極的治療がなされないことも多い。当科ではMRIの他に脳血流(CBF)SPECTによる脳機能画像評価、高血圧、糖尿病、高脂血症、血液凝固能亢進などの動脈硬化危険因子評価などを総合的に判定する脳加齢外来を行っている。また個々の疾患については腎高血圧内分泌内科(高血圧症など)、脳血管内治療科(血管狭窄など)、リハビリテーション科(高次機能障害など)などの諸診療科と連携して総合的な治療を遂行している。
図1 咽頭癌症例
上段:X線CT画像、
中段:PET画像、
下段:X線CT画像とPET画像を重ね合わせた画像
(融合画像、fusion image)
■一般核医学検査
■PET検査 □合計
図2 核医学検査の5年間における推移
PETカメラの稼働は平成15年10月より、PET/CTカメラへの更新は平成17年1月より。
平成18年の11、12月は推定値を用いた。