センターについて

 スマート・エイジング国際共同研究センター(通称SAIRC)は、平成21年10月に設立されました。このセンターは、国際的な研究拠点として、超高齢社会における新たな統合的加齢科学分野を切り開き、世界を先導するスマート・エイジング研究を通じて、持続可能型高度成熟社会の形成に寄与するため、文系・理系に拘らない架橋融合的研究、国際共同研究、産学連携研究などを展開します。

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超高齢社会の処方箋を作る

 我が国の65歳以上の高齢者が全人口に占める割合(高齢化率)は、2008年で22.0%に達し、世界で類を見ない超高齢社会となっています。2020年代には高齢化率は30%を超えると予測されており、超高齢社会に対する具体的な対応策の策定が急務です。そのためには、個人・社会の加齢に伴う諸課題に対処できる「全体包括的な知」を有し、超高齢社会に対処する処方箋を描くことが必要なのは自明ですが、現状では、こうした未曽有の超高齢社会に対応できる研究や人材の育成を世界中の産官学のいずれもが実現できていません。
 そこで、スマート・エイジング国際共同研究センターでは、脳科学、認知心理学、老年学、医学などの自然科学系、社会学、教育学、哲学、経済学などの人文社会科学系の知識と技術を結集し、個人および社会が健康に齢を重ね知的に成熟できるための「スマート・エイジング」研究領域を創生するという明確な目的を共有した学際融合的研究体制を構築し、新領域分野の研究・教育を行います。これにより、従来行われている老年学研究の単領域研究とは異なり、エイジングに関するあらゆる「知」を包括的に統合し、超高齢社会において個人のQOLを向上させ、社会の諸問題に対処できる統合的加齢科学研究領域を確立します。

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スマート・エイジングとは

 本センターが提唱する「スマート・エイジング」は、少子化・超高齢社会における新しい概念です。いわゆる「アンチエイジング」のように、高齢期を認めたくない・遭遇したくないという意味が込められたネガティブな概念とは全く異なります。我々の提案は、高齢期を「知的に成熟する人生の発展期」として積極的に受容しようというもので、高齢社会に対する考え方のパラダイムシフトであると考えています。本センターが今後発信する研究成果は、加齢と共に人生が豊かになっていくことを実感し(高齢者の活力)、その結果、老若男女を問わず世代を超えて誰もが知的好奇心によって繋がり、お互いを支えあう「知縁社会」の実現を実現(世代間の知恵の共有)に繋がると確信しています。
 本センターは、世界にも他に類を見ない極めて独創的な学際的研究教育機関を目指しています。本センターが目指すような統合的加齢科学研究を模索する動きとしては、近年、国内外で産学連携等を利用した研究開発と事業化が試みられていますが、いずれも現状では従来の老年学の範疇を超えていません。それらの研究分野は老年医学・生物学・遺伝学等が中心の、あくまで老年医学研究であり、本センターの目指す統合的加齢科学のような広範な架橋融合的学際性に欠けています。

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センターの組織

 スマート・エイジング国際共同研究センターは、健全な脳機能の発達を支援する技術及び老化防止技術の開発及び普及を産学連携・国際的学際共同研究によって推進する「スマート・エイジング研究開発部門」と、リエゾン活動を通して海外の最先端老年医学研究施設・企業等との連携を推進し、及び学習意欲の高いシニア層に対し、若手研究者の教育支援者として活躍してもらうために施すスマート・エイジング教育などの社会事業を展開する「スマート・エイジング企画開発部門」によって構成されています。

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3つの架橋融合

 スマート・エイジング国際共同センターでは、学際的共同研究、国際共同研究、高齢者と若手研究者世代間交流の3つの架橋融合活動を行います。
 学際共同研究としては、前述のように、脳科学・老年医学・医学・医工学・生命科学・栄養学・運動学・認知心理学・社会学・哲学などの研究者が、有機的に関わり統合的加齢科学領域の創生を目指します。
 国際共同研究としては、国際舞台での豊富な実務経験を有する専門家を専任のコーディネーターとして招聘し、海外研究機関や民間企業との積極的な連携を行います。世界各国の関連研究施設への若手研究者の「武者修行」、国際シンポジウムの開催、海外からの研究者招聘、英語によるディベート能力育成などを行い、「自分の考え・言いたいことを、信念をもって外国語でも語れる」、「自国以外の文化や事情にも理解を示し、かつ、その理解を研究成果の利用の場面で応用できる」若手研究者の育成も目指します。
 また、センターでは、核家族化の進展で、高齢者と直接触れ合う機会の少ない若手研究者が、超高齢社会の対応策に取り組む矛盾に強い危惧を持っています。このため、今後急増するシニア層を「社会的資源」と捉え、従来のような「福祉」を施す対象ではなく、「教育・研究の対象」「若手研究者の教育支援者」と捉え、センターで直接、教養あるシニア、学習意欲の高いシニアを育成すると共に、若手研究者の教育支援役としても活躍してもらう機会を設けたいと考えています。専門性の高い教育の中で狭視的になりがちな若手研究者には、シニア層との直接交流によって、視野を広げ、豊な人間観を育み、自身が行っている研究の(社会的)意義を自覚させる機会となると考えています。

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