肺移植に関する臨床研究

東北大学呼吸器外科では、肺移植に関連する以下の臨床研究を実施しております。

<肺移植患者におけるCOVID-19ワクチンの有効性と安全性関する前向き研究>

2019年に発生が確認された新型コロナウイルスは、瞬く間に世界的流行(パンデミック)に至り、人類の脅威となっています。新型コロナウイルス感染症は、世界中で死亡者数を積み上げているものの、効果が期待できる抗ウイルス薬は未だ開発されていません。そのため、2020年冬より実用化された新型コロナウイルスワクチンはパンデミックを抑制可能性な手段として注目されています。海外からは臓器移植患者さんでも安全性や有効性を確認する報告が相次いております。本研究では、東北大学病院を受診される肺移植患者さんが新型コロナウイルスワクチンでどれほどの副作用が生じるのか、また、ワクチン接種前後でどれほどウイルスに対する抗体を獲得できるのかを確認します。対照(コントロール)群(移植既往がなく免疫抑制剤を使用していない者)を置く非ランダム化前向きコホート研究です。
本研究は Yahoo!基金「新型コロナ医療崩壊防止活動支援助成」を受けています。


https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT1021210009

<肺移植登録後の予後また待機中死亡に関連する因子の検証>

肺移植は進行した呼吸器疾患に対して有効な治療法のひとつです。かかりつけ医が呼吸器疾患を有する患者さんを移植施設へ紹介するタイミングや移植施設で肺移植登録する目安は、日本では明確な指針がなく、全ての患者さんが肺移植の機会を得られていないことも考えられます。肺移植までの待機期間中に亡くなられる患者さんもいます。呼吸器疾患によってどのようなタイミングで移植登録が行われ、肺移植に至っているかどうか把握する必要があります。日本の全ての肺移植施設で、肺移植登録患者の登録時情報(年齢、性別、移植適応疾患、呼吸機能、運動耐用能、血液検査)とその予後(移植、待機継続、死亡)を調査します。また、登録疾患別の予後に関連する因子を検討する多施設前向き研究です。

https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000046880